まとめ連合

専任の講師の指導法。本当にあれはピアノに関係あるのだろうか?触れられた感触を思い出しながら浴槽で一人…

「うん….」


「うん…」


後ろで、塚崎が何度か頷いている声が聞こえた。
そして千紗は彼が自分自身の演奏をそれほど悪くは無いものと理解していると感じ、納得した。


それでも、途中で指を止め、指示を仰ぐ。
彼はその度に短くコメントを出した。

それは前回に比べ、とても的確でスマートな指摘だと千紗は思った。


「じゃあ….」


塚崎は言葉を区切り、演奏をやめさせる。
そして、右手を譜面、鍵盤に置き、指示を出した。

その後は千紗にこの部分をどう考えているか、など質問をする。

「え…えー..」


千紗は与えられた課題に対して緊張感を持ちながら必死で考えた。
そして幾つかのポイントを整理し、回答として提示しようと思った時、それは起きた。


「難しいかな…?」


塚崎は、千紗の肩に触れた。

彼女は一瞬、びくっと反応し、そして狼狽えた。
これまで塚崎から、いや他の講師からも身体に触れられた事は無い。

一体どう言うことか、と頭の中が混乱し、それを整理しようと思っていた矢先、

「じゃあ…こう言う風に考えて?」


彼は何も無いかのように、何もしていないかのように軽く言葉を加えると、千紗の肩に置いた手をさらに動かせる。

胸元にするするっと侵入し、シャツの胸元、胸の谷間の上部に手のひらを当てた。

「っ….!.」


驚き、振り返ろうとする千紗を、柄崎の言葉が制した。

「前を向いて..しっかり、考えて?」


塚崎はむにむにと指先をブラの中に滑らせていく。

Bカップの千紗の乳房は彼の手のひらの中にあり、彼の手のひらが2度、3度、収縮した。


「…..」


千紗はただ身体を硬くして、自らの身に降りかかったこの出来事が一体どう言う事によるものかを必死で考えていた。


「…..あ…あの..」

「それは….」


千紗は自分自身の頭の中が訳が分からないままで、混乱し、狼狽えた。

だが、塚崎から与えられた課題に対してあくまでも答えようと努める。

(やだ…)

(一体….)


その時点でも、彼の突然の行為がピアノの指導に何らかの意味を持っているものでは無いかの、なんても考えていた。


ーーそうでなければーー

この唐突な行為に理由づけが出来ない。

最近は学内、学校側の職員と学生の間、学生同士でさえ厳しく指示されているセクシャルハラスメント。

その行為自身と、今自らに降りかかっているこの状況との結びつけが困難、いや千紗には出来なかった。


「そうですね…」


千紗はこほんっと咳をし、出来るだけ平静さを装って質問に答えた。

緊張で息が粗くなるのを抑えてゆっくり、ゆっくりと鼻で呼吸し、奥歯に力を入れる。


だが落ち着け、落ち着け、と思ってはいても心臓はこれ以上無いくらいに鼓動し、自らの胸を揉みしだいしている塚崎の手のひらに伝わるのでは無いかと思った。

「….」

「そうだな…」


塚崎は、やや緊張した面持ちで、千紗の後ろ姿を眺めていた。

そして右手で円を描くようにそれを動かし、中指を少し折り曲げた。

「ん..」


千紗の胸の突起がそこにあたり軽い反発がある。

塚崎はそこをむにむにと、指先の腹で小さく弾いた。

「ん…….っ..」


塚崎の視線の向こう、千紗がびくびくと反応し、小さく呻いていた。


「よし、じゃあ、その感じで…続けて..?」


彼はそのように指示を出し、左手を千紗の肩に置いた。

そして右手をやや引っ込め、千紗の下着やシャツをきちんと、丁寧に直しながら元に戻す。

「そう…そのままね..?」


やがてその左手さえも自らのポケットに収めた塚崎は、これまでの行為など何も無かったかのように振る舞い、指導を続けた。


(先生…..)


千紗は鍵盤を眺めながら、動揺を抑えられないでいた。

そして自らの後ろにいる存在が急に恐ろしいものに思えて、奥歯をガタガタと震わせていた。

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